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【バスケットボール】W杯 次は8月29日です!

2023年8月25日、

バスケットボール男子のワールドカップ

始まりました。

 

フィリピン、インドネシア、日本(沖縄)で開催され、

既にアジアカップで出場権を得た日本代表も

自国開催での参加となりました。

 

 

 

予選はグループ内での総当たり戦であり、

4チームが3試合ずつ行い、

その結果によって次の二次予選への出場権を争います。

 

日本が入ったグループは

・ドイツ

フィンランド

・オーストラリア が含まれており、

FIBAランキング的には

全て格上の3か国が相手です。

 

バスケットボールという競技は

いわゆるジャイアントキリングが起こりにくく、

実力通りの試合結果になりやすいと言われます。

 

事実、2023/8/25の初戦ドイツ戦では

実力の差を完膚なまでに見せつけられ、

18点差という大差をつけられての敗北になりました。

ドイツはFIBAランキング11位です。

 

フィンランドFIBAランキング24位、

オーストラリアはFIBAランキング3位で

世界的に見ても強い部類に属する強豪チームです。

日本はFIBAランキング36位なので

予選リーグの相手が全て格上になります。

olympics.com

 

パリオリンピックの出場権も

このワールドカップの結果によって決められます。

日本はオセアニアを除く、アジア出場国の中で

1位にならなければオリンピックに参加できません。

 

 

日本が今回の大会で

他の出場国に劣る点は、複数あります。

・サイズ(身長や上肢の長さ、体格)

・フィジカル(接触に対する当たりの強さ)

・フィニッシュ(シュート)の精度

この辺の課題は遠い昔から

延々と言われ続けてきたことであり、

幾分、サイズアップしてきてはいるものの、

今回のドイツ、フィンランド、オーストラリアと比べると

全ての面において及ばないので

それがFIBAランキングの結果として

反映されているようにも見て取れます。

 

そこで、トム・ホーバスヘッドコーチは

・スピード(テンポの速さ)

・ディフェンス

・3ポイント でアドバンテージを得ようという方針で

これまで練習を積み重ねてきました。

 

相当量の練習を積み重ねたにも関わらず

世界の壁は厚く、

ドイツのサイズ、フィジカル、シュート精度に圧倒され、

18点差で喰らいつくのが精々でした。

(18点差は大差だとは思いますが、

 18点差で抑えられたという点は

 良い意味で評価されるべき結果だったと思います)

 

バスケットボールという競技は面白いもので

強い相手と対峙したときには

どんどん心が削られてしまい、

得点を獲りに行こうという積極性を

徐々に失ってしまうシーンがよく見受けられます。

 

本当はゴールに向かったり、

得点を稼げる選手に強いパスを出したり、

とにかく、有効なシュートを打てなければ

どんなに守備が硬くても勝てないのが

この競技の本質なのかもしれません。

 

2023年8月27日、午後9時10分。

沖縄アリーナで日本代表対フィンランド代表戦が

始まりました。

 

1クォーター目はドイツ戦の反省が生かされ

随所に良いプレイが目立ちました。

ディフェンスの強度も高く、

スリーポイントの確率は上がらなかったものの

他の方法で得点を取りながら

相手の攻撃をうまく防いでいました。

 

実際、22-15でリードをした状態で

試合の1/4が終了しました。

 

次の第2クォーターで、

フィンランドは上手く修正を図ってきます。

NBAの若手精鋭のマルカネンが怒涛の反撃を見せます。

みるみるうちに点差を詰められ、

ハーフタイムを迎えたときには

逆転され、10点差を付けられていました。

36-46でゲームの折り返し地点を迎えます。

 

格上のチームに

ハーフタイムで10点差のビハインドだと

ここから逆転するのは確率統計的にも理論上も

かなり難しいのが一般則です。

 

ここを打破するためには

現代バスケ的にはスリーポイントが効果的になります。

 

ただ、相手も強豪チームなので

相手はスリーポイントをもちろん決めてくるし、

強固なディフェンスを潜り抜けて

シュートを打たなければ得点は決まりません。

 

作戦はスリーポイントに傾くのですが、

単純に打ち合いになってしまっては

総合力で相手より下回っている方が

分が悪いのは至極当然な話だと思います。

 

今回最終選考に残ったメンバーは

一部を除いてスリーポイントシュートが

本当に上手い選手ばかりです。

普段のB leagueでも大活躍している選手が

セレクションを乗り越えて生き残った結果が

今のメンバーなのです。

 

国際試合でスリーポイントのアテンプト(試投数)と

その確率がなかなか上がらないのは、

前述の通り、

積極性を失っていき萎縮してしまう傾向や

あるいは

相手選手の長い手足や身体接触の力強さが

原因になっているようです。

 

3クォーターでは五分の試合展開になります。

このクォーターだけで見ると

27-27という結果であり、

どちらも攻撃的な展開になっていました。

 

1,2クォーターでは

何度も相手に良い流れが傾きかけたところを

これまでの日本代表を長年支えてきたベテランの

富樫勇樹(千葉ジェッツ)と比江島慎(宇都宮ブレックス)が

体を張って自らの仕事を十分に果たしてくれました。

 

帰化選手のジョシュ=ホーキンソン(サンロッカーズ渋谷)は

献身的にリバウンドやファウルを貰うことで

苦戦を強いられながらもチームに貢献してくれました。

 

その文脈で迎える第4クォーターでは、

味方の選手の奮闘や活躍に呼応するかのように

若手選手たちが躍動します。

 

このとき良い流れを作ったのは

若手精鋭の河村勇輝・富永啓生です。

どちらも22歳(学年は富永が1個上)で、

積極的にゴールを狙いに行きました。

 

河村選手は、昨シーズンのB leagueの試合等で

ひと試合30-40点台を一人で稼ぐというような結果を

既に何度も出していましたし、

サイズ面でのハンディキャップを背負うものの

執拗で相手の動きを先読みしたディフェンス、

味方の得点をクリエイトするアシストを武器に持ち

実績・実力ともに十分な選手です。

 

富永選手は、現在アメリカの大学でNBA入りを目指していて

高校時代からスリーポイントより遥か遠い位置からの

ディープスリーがよく決まる選手です。

 

二人に共通しているのは

ゴールしようとする姿勢が素晴らしいという点です。

 

この試合の後半では、

二人の意識はゴールに集中していました。

確かに高難易度のシュートなので

外すリスクも相当にあるとは思うのですが、

NBA選手にマークされても、

普段通りの実力を発揮することや

今まで積み重ねてきた技術を信じることで

本当に集中しているように見えました。

 

私たち素人からすると

とんでもないオバケ的なプレイが

次々とことごとく成功していくことを

目の当たりにするのでした。

 

でも、決して無茶でもマグレでも無いと思うのです。

 

これまで出来たことを信じて

これからも出来ると信じて

日々の練習で培った習慣を頼ったのでしょう。

 

実際、点数的には負けていましたし、

相手のディフェンダーはサイズが大きく

スキル面も経験面も実力が完全に上にもかかわらず、

シュートを打ち切ることに

とにかくフォーカスしているように見えました。

 

バスケットボールのシュート確率は

例えばスリーポイントを例に取ると

世界最高峰のNBAですら、

35-40%程度のものです。

つまり、3本に1本ちょっと入れば上等で

3本に2本は外してしまうので、

試合中は、どちらかといえば

シュートを外すことを経験する機会の方が多いのです。

 

つまり、試合中は

「シュートを外す」ことは

誰にでも起こりやすいことなのです。

 

外せば外すほど、

邪念が加わり、自信を失い、

より困難な状況に陥ってしまいます。

 

でも、河村選手も富永選手も

下を向かずに

シュートが外れても気持ちをすぐに切り替えて

次の攻撃/守備に頭を切り替えているのが

とても印象的でした。

 

試合も残すところ約5分のところで

日本はフィンランドに対して5点リードしていました。

 

世界の競合と対戦して

勝ち切るという経験が少ないために

試合巧者の相手に再逆転されるという展開も

何度と頭をよぎりました。

 

5分で5点は十分に逆転するチャンスはあります。

 

しかし、

日本代表は最後の最後まで集中力を切らさずに

さらにリードを広げて

98-88の10点差で勝利をすることになったのです。

 

www.fiba.basketball

 

 

歴史的な勝利となりました。

 

結果的には、

河村・富永のビッグプレイ連発が

チームを勝利へ導くことになりましたが、

それを支えたベテラン勢と

献身的に体を張り続けたホーキンソン、

NBAのマルカネンに対し

効果的なディフェンスをした

渡邊雄太(フェニックスサンズ)と

吉井裕鷹(アルバルク東京)、

そして

出場機会の多寡によらず

選手全員が気を吐いて勝ち取った1勝だったと思います。

 

繰り返しになりますが、

偶然やマグレの類ではなく

当然、奇跡なんかでもなく

普段から選手たちが持っているものを

最大限に発揮できた結果が

今回のパフォーマンスだったのです。

 

確かに

ビッグプレイばかりでしたが、

普段のB leagueの試合でも

見る機会のあるシーンばかりでしたし、

富永啓生もいつものプレイスタイルのままでした。

 

実力を出し切っての勝利に

本当に感動しました。

 

トム=ホーバス ヘッドコーチは

普段から練習が厳しいことで有名ですが、

・believe (自分と味方とチームを信じる)

・できる

・大丈夫

・勝てる

という声がけをよく耳にするので、

実力の100%を出しきれたのではないでしょうか。

 

 

予選リーグは次が最終戦です。

勝てば決勝トーナメント進出、

負ければ順位決定戦へ駒を進めます。

 

対戦相手は、

FIBAランキング3位のオーストラリア。

右を見ても左を見ても

実力のあるNBA選手ばかりです。

 

もちろん、大いに格上ですが、

2敗した後の「当たって砕けろ」的なアプローチより

今日、勝利できたことへの自信を根拠に

実力を出し切ってくれることが

勝利のヒントになると私も思います。

 

プレイヤーやスタッフ陣を信じて

来たる2023年8月29日を迎えましょう。

 

一人一人の応援がチームの支えになるので

せっかくの機会ですので

一人でも多くの人が試合を観てくれたら

とてもありがたいです。

 

 

相手が格上であっても、

シュートは外れてしまっても、

相手がスマートに決めてきても、

ゴールに向かう姿勢を見失いそうになっても、

それでもなお、ゴールに向かって

アタックし続けたチーム全員に

心からリスペクトしたいです。

 

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