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likeとrespectをひたすら愛でるためのブログ

【保存版】熱中症に対して、どのように抗うか。

以下、フィクションです。

 

仮想の敵として、とにかく逆張りの実の父親がいるという仮定で作り話をしますね。

 

今年の夏は、日本全国で猛暑を記録しています。夏は涼しいのが魅力だった北の地域も、30℃台なかば、後半をゆうに叩き出します。家族としても、実家の父の身を案じ、熱中症を心配します。空想上の父親(設定上)は逆張りの帝王です。他人の意見は、それがたとえ家族であれ聞き入れたくないのです。

 

【背景】

父親と同居している母親の希望もあり、前の年にエアコンの設置に成功した。

 

【登場人物の本音】

父: とにかく他人の言うことを聞き入れたくない。かたや、自分の考えや言葉は絶対であり誤りなどあるはずがないと思っている。

 

母: 争いを好まない。なるべく静かに平穏に暮らしたい。エアコンは体に悪いと思っているが、熱中症も何となく怖い。どうしようもなく暑い日にはエアコンを使用しても仕方ないと思っている。

 

 

【戦闘開始!】

私: エアコンは使っているか?

母: 使っていない

私: なぜか?

母: 父がエアコンを使いたくないと言っている

 

ほう、そう来たか

 

私: 猛暑であり熱中症になるリスクが高い。

  せっかくあるんだし、使ってみては?

 

父: 使わない

 

私: なぜか?

父: 冷たい風に当たると風邪を引く

私: 風邪はウイルスが原因なのでエアコンは原因にならない

父: いや、風に直接当たると具合が悪くなる

私: 最近のエアコンは人の座標を感知して、直接風が当たらないような機能もある

父: ・・・

私: 本当に風邪ならウイルス感染が原因だし、冷風が直接当たることも避けられる。

 

父: 電気代がかかる

私: 省エネ設計が進んでいる。思っているよりも安価で済むはずだ。

父: そんなことはない。エアコンが無い場合と比べて高いのが当然だろう。

私: 熱中症に陥って病院にかかった方がエアコンを買うより高い出費になる可能性もある。

父: これまで熱中症になったことが無いから大丈夫だ。何とかなる。

 

それは生存者バイアスといって、人間が陥りやすい心理的な罠の典型だと思う。

 

父: そもそも熱中症なんて、大袈裟に騒いでいるだけ。昔で言うところの日射病と大差は無い。

私: そんなことはない。2015年の熱中症診療ガイドラインでは、「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」と定義される。臓器障害によって重症度が規定され、重症例では落命の危険性すら生じる。帽子を被って日射病を予防しようで済ませていた時代とは異なる。

 

2015年 熱中症診療ガイドライン

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf

 

 

ガイドライン以外で使いやすい資料がまとまっているサイトはコチラ

www.wbgt.env.go.jp

 

父: 臓器障害が起こるなんて、別の病気なんじゃないか。誤診に違いない。

私: 否。熱中症と診断されるためには、他の疾患の除外が前提である。出来うる範囲で他疾患の可能性を排除して下された診断が熱中症である。つまり、他疾患の可能性について検索を行うようになっている。

 

父: 何を言ってきてもエアコンは付けない。個人の主義主張だから自由なはずだ。好きにさせてほしい。放っておいてくれ。

私: 聞く耳を立ててくれないということがよく分かった。残念で悲しい話であるが。

父: お盆を過ぎれば涼しくなるのだから、それまでの辛抱だ。何ら問題は無い。細かいところを気にし過ぎだ。

 

という、仮想のバトルを繰り広げましたが、

私の情報提供は空想上の父親には届かなかったようです。

 

それもそのはず。

バトル中の「私」は

あくまで正論を伝えようとしているに過ぎず、

内容が適切・妥当であったとしても

相手に聞き入れる姿勢が無い限りは

何を言っても無駄なのかもしれません。

 

先ほど【登場人物の本音】の箇所に記したように、

他人からの意見を嫌がり、

自分の考えや思想に絶対の自信を抱き、

好き勝手に行きたいというスタンスの仮想敵には

通じる言葉が見当たらないのです。

 

最後に、

理性や論理ではなく、

上記のやり取りで「私」が伝えたかったのは

何も正しいことを正しいと認めて欲しいわけでもなく、

意見を聞かせてコントロールしたかったことでもなく、

 

別に喧嘩をしたいわけでもなく

言い負かせたいわけでもなく、

ただ、元気に過ごしてもらえることを

何よりも願っているだけです。

 

 

今回はたまたま仮想敵での

論理構築のイメージトレーニングですが、

全く同一の主張を

地域の小中学校にも言いたいです。

 

かつては

夏休みが終わった頃には

涼しい気候になっていた時代もありましたが、

少なくとも今現在、

日本全国、どの地域も

猛暑の夏で学童・生徒は

凄まじい暑熱環境にさらされています。

 

 

熱中症の「中」の字は

大中小の「中」ではなく、

「熱中」という熟語に含まれる「中」でもなく、

「中る(あたる)」ことを指します。

 

中毒、脳卒中も同様の意味で用いられ、

「あたる」というニュアンスを有しています。

 

本来であれば、

相当に重篤な病態として捉えられるべきところが

どこか軽く流されてしまいがちな側面もあり、

熱中症に対する意識の温度差が

非常に大きいように感じます。

 

一人でも多くの人が

熱中症から免れますように。

 

今、某感染症の再流行の傾向もあり、

地域によっては救急診療の基盤が

揺らいでいるところもあります。

 

ここに防ぎ得たはずの

中等症ないし重症の熱中症患者が

救急搬送されることになったら

圧倒的に不利な条件を突き付けられます。

(搬送先が無い、入院ベッドが無い)

 

異常気象のせいで

まだまだ暑い日が続くようです。

どうか防ぎ得る熱中症を防ぐための

知識普及、環境整備が進みますように。