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likeとrespectをひたすら愛でるためのブログ

【映画】THE FIRST SLAM DUNK

※以前、なんとなく描きたくなったシーンのイラストです。(映画とは関係ありませんw)


「映画スラムダンク(THE FIRST SLAM DUNK)」は

 世界にどのようなインパクトを残したのか

 

この問いを冒頭に立てて

私のlikeと作品へのrespectを述べていきます。

 

映画スラムダンク

2022年12月3日(土)に公開されてから

8か月というロングラン上映中です。

(8月31日に公開終了予定となっています)

 

1990年から1996年ににかけて

全276話(オリジナル単行本は全31巻)にわたり

週刊少年ジャンプで連載された作品です。

itplanning.co.jp


 

 

作者の井上雄彦さんは

連載終了後、続編の可能性については

明確なコメントを残しておらず、

多くのファンが長らく再開を待ち望んでいました。

 

 

1998年には資生堂のCMで

スラムダンクが動画として甦りました。

躍動感のある鉛筆タッチでアニメーション化がなされ、

井上雄彦さんも出演したことで話題になりました。

当時、ワクワクしたことをよく覚えています。

(このテイストで映像化してくれるのかも、

 と淡い期待を抱いたのは私だけではないはずw)

 

garage-film.co.jp

 

製作者) Garage Film inc. さま [X  @GarageFilm]

https://garage-film.co.jp

 

 

その後、2004年7月に

単行本の日本国内発行部数が1億部に達し

12月に廃校になった高校の校舎で

各教室の黒板に漫画を描くというイベントに至ります。

 

スラムダンク-あれから十日後」という作品で

連載終了後、8年を経て

正規の続編として物語がほんの少しだけ前に進みました。

(このときの感激は今でも覚えています)

 

itplanning.co.jp

 

SLAM DUNK 10 DAYS AFTER

著者 井上雄彦 

出版社 フラワー

発行日 2009/4/10

 

 

あれから10年が経ち、20年が経ち、

続編が再開されるという情報は

噂レベルですら湧きませんでした。

 

実は、そのとき既に水面下で

この映画化の話が進んでいたようです。

(参考文献:THE SLAM DUNK re:SOURCE)

 

re:SOURCE内のロングインタビューでは

映画化に至るまでの経緯が丁寧に述べられています。

2009年に東映アニメーションのビデオレターが届き、

そのときは乗り気ではなかったと井上先生は語っています。

 

没になりかけた企画でしたが、

パイロット版のアニメ映像が2本目、3本目と送られてきて

そのとき既に5年が経過して2014年になったときのことです。

 

3本目のワンシーンを見て

「自分が関われば、

 この花道がもっと花道になる」

という直感が生まれたのがキッカケで

壮大なプロジェクトが始まりました。

(筆者注:花道とは、SLAM DUNKの主人公 桜木花道を指す)

 

この書籍のロングインタビューは

めちゃくちゃ面白いので、

是非とも手に取って、一語一句

味わって鑑賞していただけたら、と心から思います。

 

 

www.shueisha.co.jp

THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE

出版社 集英社

発効日 2022/12/20

 

 

 

さて、冒頭の問いに戻ります。

 

「映画スラムダンク(THE FIRST SLAM DUNK)」は

 世界にどのようなインパクトを残したのか

 

何万字でも一瞬で書けてしまいそうなくらい

語りたいことはたくさんあるのですが、

今日は要点を3つに絞って述べたいと思います。

 

 

リアルのバスケットボール競技では

実現し得ないカメラアングルで臨場感を生んだ

 

従来のアニメーションとは異なる、

「漫画の動画化」に成功した

 

サプライズという形で

正史がほんの少しだけ前進した

 

 

 

一つ目は、試合中の臨場感です。

これは井上監督(原作・脚本・監督を兼ねています)が

こだわった部分だという点は疑う余地もありません。

 

ドリブルを突く音や

ボールがリングをくぐりネットを鳴らす音、

床とシューズとの摩擦音、

歓声の物理的な圧力、

そして、

バスケットボール競技独特の流れ・勢いの感覚。

 

どれを取ってみてもリアルを追求していて

まるで生のバスケ試合を観戦したかのような体験を

映画館で味わったのは新鮮でした。

 

ただ、リアルのバスケ観戦以上にリアルだったのが

カメラアングルだったと思います。

観客として観戦する場合には

決して選手の目線で試合を眺めることはできません。

 

仮にGO Proのような機材で試合を動画で撮ったとしても

目線が目まぐるしく動けば、

画面も絶えず揺れに揺れると思うので

そもそも、作品として成立しないと考えます。

 

創作だからこそ出来た、

コート上の選手の視点・視界・フィジカルコンタクトを

リアルさを伴った映像で表現できたのは

THE FIRST SLAM DUNKが初なのではないでしょうか。

 

宮城リョータが相手ディフェンスから圧力を受けるシーンは、

まさにバスケットボールの臨場感そのもので、

まるで自分がディフェンスされているかのような感覚になります。

 

 

 

二つ目はアニメーション化のアプローチについてです。

アニメーションとは広義に、

「コマ撮りなどによって、

 複数の静止画像により動きを作る技術」のことを指し、

従来のアニメも、本作も同じ括りにはなりますが、

狭義には従来の制作プロセスと大きく異なるように感じました。

 

表現が難しいのですが、

「漫画がそのまま動画になった」という表現が

しっくり来そうです。

 

制作した動画という点ではアニメーションの定義を満たしますが

漫画がそのまま立体になって、

かつコマとコマの間の動きが補完されて、

リアルさを帯びた

というのが私の伝え方の限界です。

 

CGWORLD 298(JUNE 2023)で

THE FIRST SLAM DUNKが特集されていて

その表紙には

「“井上雄彦氏の絵がそのまま動く”への挑戦」

というキャッチフレーズが掲げられています。

 

 

リエーターたちの動画制作へのこだわりが

たっぷりと堪能できます。

 

cgworld.jp

月刊 CGWORLD + degitalvideo vol.298

出版 株式会社ボーンデジタル

発行日 2023/5/10

 

 

 

そして三つ目は、サプライズという形で

正史がほんの少しだけ前進したということです。

 

映画が始まると、

「原作のあのシリーズか」と一瞬で気づいてしまうし

もはや、どの試合を取り上げた映画なのかは

情報が出回っているので

ここで今さら伏せることでもないのですが、

試合後の高揚感や余韻に浸って油断していると

ラストのシーンで古参ファンたちも

きっと度肝を抜かれることになります。

(私は開いた口が閉じませんでした。)

 

10 DAYS AFTERで進んだ時計の針が

さらに進んで正史として刻まれたのです。

 

原作者が監督の作品ですから

公式以外の何でもないわけで、

漫画のキャラクターの将来を

ほんの一瞬でも拝めただけで胸熱になりました。

 

世界中のファンたちが

待ち焦がれていた続編の一コマを

長い時を経て届けてくれた井上先生に、

井上先生と映画制作クリエーター陣に

心から御礼を言いたいです。

 

 

最後に、

この映画を通じて湧いてきた

率直な感想を述べて締めくくりたいと思います。

 

当時はちょうど中高生だった私も

かれこれ壮年期と呼ばれる年代に突入し

夢と現実の区別が付くような大人になったつもりでしたが

 

ボールを追いかける映画内の花道の姿を観て

まるで、花道が今もどこかで

元気に過ごしているかのような錯覚が芽生えて

リアルと創作の世界の線引きが出来なくなったところが

いちばん印象に残りました。

 

これまでは、漫画の中のキャラクターだった彼が

いちバスケットマンとしての命を吹き込まれたのです。

 

 

先日の男子日本代表 親睦試合での

川真田  紘也 選手のハッスルプレイを見て

花道の片鱗を感じたということも

映画の紹介文を書いてみたくなったキッカケです。

basket-count.com

 

まだの方は是非、映画館へ!

またの方も再々、映画館へ!

ありがとうTHE FIRST SLAM DUNK

 

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