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likeとrespectをひたすら愛でるためのブログ

【機材】n年も待たせやがって!

長きにわたり待ち続けているものはありますか?

 

待つのは焦ったいですが、

それが例えば報われたときに

脳内麻薬がドバドバ漏れてくることってありますよね。

 

最近で言うと、

映画「THE FIRST SLAM DUNK」がそうでした。

待ち続けただけあって、

映画館で作品を鑑賞したときの感動は

言葉にならないほどでした。

(本稿のタイトルもSLAM DUNKからの引用です。)

 

 

例として、私が今待っているものを

以下にリストアップしてみます。

 

 

・漫画 HUNTER×HUNTER の続編

・某デジタル一眼ミラーレスカメラの後続機の発売

・2D-HDリメイク版 ドラゴンクエスト

塊魂の続編

・THE FIRST SLAM DUNKのDVD/BluRayDisc化

・ライブのDVD/BluRayDisc化(MR.BIG含む複数アーティスト)

・B league 2023-24シーズン開幕

・十年以内の大きめのチャレンジ

 

かなり偏っていますね…

 

確度の高い情報、低い情報(噂レベル)もさまざまで

半ば諦めてかけているものも含まれています。

 

かれこれ十年以上も待っていたもので

新作の登場をほぼ諦めたものがあります。

 

それは「MTR」です。

 

MTRとは、

Multi-Track Recorderの略で

日本語では「多重録音機」「マルチトラッカー」

という用語が該当するでしょうか。

 

通常、録音というと

1トラック(もしくはステレオ録音で2トラック)の場合が

大多数を占めることでしょう。

 

身近を見渡してみても、

ICレコーダーにしてもスマートフォンにしても

大概は1-2トラックでの録音になります。

 

MTRはその名の通り、

複数のトラックを同時に録音、

もしくは、後で重ねて録音できるのが

大きな特徴だと言えます。

 

一般的な録音機器を使う場合、

例えば、ギターの弾き語りを考えてみると

歌声とギターを別々のトラックに録音することは出来ません。

 

ボーカルパート・ギターパートを分けて拾って

その受け皿となるトラックがそれぞれ必要になります。

 

アナログMTRの歴史を調べてみると

1940年代には技術として発明されていたようです。

商業化されたのは1950年代であり、

それ以前は同一収録スタジオの同期的な録音でしか

収録は出来なかったのです。

 

参考文献)

History of Multitrack Recording (RECORDING HISTORY ORG)

History of Multitrack Recording: Who Invented Multitrack Recording?

 

 

私が知っているのは、

カセットMTRの時代からです。

 

「こんな機材があったらいいなぁ」と思って調べてみたら

なんとMTRという画期的な機材が既に存在していたのです!

 

令和の時代になり

ほとんど目にしなくなった

「カセットテープ」という録音媒体について

今、改めて振り返ってみたいと思います。

 

 

カセットテープは、その名前が示すように

テープ状の磁気素材を音声の記録媒体として使用するものです。

 

テープの表面を半分に分けてA面とB面と呼びます。

レコーダーでは、その片方だけを読み込むことができるので

実はカセットテープを再生しているときは

テープ面の半分しか使っていないのです。

 

もう片方の面を読み込むには

物理的にカセットテープをひっくり返すか、

レコーダーの読み込み部分を反転させるか、

という理屈になります。

 

ここにモノラル/ステレオの話が加わると

今度はテープをさらに2分割することになります。

 

つまり、

先ほどのA面を2分割して、

A面LとA面Rのトラックを用意すれば

A面をステレオで使用できるようになるのです。

 

同様に、

B面もB面LとA面Rの2トラックで

ステレオ出力が実現されます。

 

参考文献)  

西村音響店

「カセットテープが両面使える仕掛けとは。」

nishimurasound.jp

 

 

このように、カセットテープは

パッと見では分からないのですが、

テープ表面に4トラックが走行していて

そのうち2組ずつをレコーダーが再生する

という仕組みを採用していました。

 

 

これがカセットテープMTRの話に繋がります。

カセットテープMTRは原則として

同時に4トラック多重録音が可能です。

(のちに8トラック可能なものも出てきます)

 

これはカセットテープの4トラックを

同じ向きで同時に使うという発想で実現できます。

 

通常のカセットテープレコーダーは

2トラックを一方向に再生し、

残りの2トラックは逆方向の再生で使用されます。

 

カセットテープの規格として、

30分、46分、54分、60分、70分、90分、120分

というようなラインナップがありましたが、

実際はその表記の半分で折り返すというものでした。

 

つまり、60分テープなら、

A面で30分、B面で30分となり

30分をまたぐタイミングで

曲を録音しにくかった(当然、A面・B面の入れ替えで音が途切れる)

という大きなデメリットを抱えていました。

 

したがって、カセットテープMTR

A面・B面を別々に使うのではなく、

同時に4トラック分を充ててしまうので

60分相当のテープだと、録音時間の最大値は

その半分の30分(=60分/2)になるのです。

 

家庭用の安価なカセットテープが

MTRに通すだけで多重録音が手軽にできるという点で

当時、大きな衝撃が走りました。

(私は未成年で、結果的に金銭的な理由で入手はできませんでした…w)

 

2000年を過ぎたあたりから、

コンピュタ技術からの転用が盛んになり、

ハードディスクやSDカードに記録する媒体へと

MTRはデジタル化とともんい進化を遂げていきます。

 

直接CD-Rに焼くことのできる機種も登場し、

家庭で音楽CD制作ができる時代に突入しました。

(学生時代、生活費と飲み代を稼ぐのがやっとだったので

 このタイプのMTRも入手できませんでした…ww)

 

zoom MRS-802

www.zoom.co.jp

 

Sound & Recording

2003/06/01Web記事

「内臓エフェクトで積極的な音作りが可能な8トラックHDレコーダー」

www.snrec.jp

 

 

さらに時が経ち、MTRは進化を続けます。

ようやく初めてMTRを入手した頃には

私は既に社会人になっていました。

 

2011年6月下旬発売のBR-80でMTRデビューを飾りました。

念願のMTR、8トラック・デジタル多重録音、

20年近く欲しがっていたアイテムだけに

入手後は、とてもワクワクしながら楽しい時間を過ごせました。

 

BOSS micro digital recorder BR-80

www.boss.info

 

2010年5月には、前身として

高位モデルのBR-800が発売されていて、

それも喉から手が出るほど欲しかったのですが

結局のところ、MTRを手にするのは

もう少し時間が経ってからになりました。

www.boss.info

 

 

前置きが長くなりました。

BOSSのBR-800,BR-80以降、

欲深い私は更なる沼にハマるが如く、

このシリーズの新作を待ち続けることになります。

 

Googleに「BOSS, MTR, 新作」と打ち込んでは

新商品の登場を心待ちにしていました。

 

確かに、BR-80やBR-800の機能で

十分に事足りるといえば足りるということもあり、

新作が出なくても何とかなるという捉え方も

できなくはなかったので、

そう自分に言い聞かせて騙し騙し

続編をじっと待ちます。

 

2015年になっても

2020年になっても

それは現れませんでした。

 

他方、

古参のTASCAMやZOOM(オンライン通話サービスとは別会社)が

新製品をコンスタントに出しているので

楽器屋さんに行ったときに高確率で勧められるTASCAM・ZOOMに

乗り換えてしまおうと思ったこともあるのですが、

なかなか気持ちの整理が付かず、

モヤモヤした感じで過ごしていたら今は2023年。

 

その間、TASCAMやZOOMに乗り換えずに

何をしていたのかというと、

DTM(DeskTop Music)/DAW(Digital Audio Workstation)へと

移行したためにMTRへのニーズが減衰しておりました。

 

日々の仕事が忙しくなり、

楽器に触る時間が無くなり、

PCで手軽に音を出せるツールを好むようになりました。

 

DTM/DAWは2010年頃には既に

SONARCUBASEといった高品質のソフトが普及しており、

PCのスペックや機材購入が叶うなら

比較的、身近なツールになった時期とも言えます。

 

自分の中で、当時のイメージを言語化すると、

こんな感じになります。

 

MTR

→楽器から直接録音できるので楽器との相性が良い

 でも、PCとの互換性に障壁がある

 デジタル音源ではあるがPCでの加工・出力にも難がある

 

DTM/DAW

→ 楽器が無くても音楽制作を楽しめる

  楽器との接続にオーディオインターフェイス等の機材が必要

  デジタル音源として加工・出力が容易

 

そこから十年以上も経つと、

無料で入手できるDTM/DAWソフトの質が

びっくりするほど高くなって

例えばGarageBandひとつを使ってみても

当時の高いソフト以上のパフォーマンスを

発揮できるまでになっています。

 

PCの性能の向上とともに、

フリーズや突然のシャットダウン、実際の演奏とのレイテンシー(遅延)も減り、

確かにMTRの時代は終わったのかもしれないと痛感し、

BOSSの名機 BR-800,BR-80の後続機の登場は

自然と諦める方に気持ちが向いてしまったのです。

 

 

 

zoom会議やオンライン配信で

そろそろミキサー等の配信機材を揃えたいと思い

先日、色々と情報を集めていたときのことです。

 

YAMAHAやZOOM(音響機材の方)あたりで

評判の良いものをピックアップしようと思っていたら

なんと、

 

なんと、なんと、なんと

BOSSからGigCaster5/GigCastar8という機材が

2023年4月29日に発売された

という情報にヒットしました!

 

「ギター演奏等の音楽パフォーマンスに特化したライブ配信機材」

というコンセプトの商品です。

 

・もちろんミキサー機能が充実している

・ギター/ベースをダイレクトで接続できる

・内臓エフェクターが豊富(さすがBOSS)

・音声/演奏のストリーミング配信との相性が良い

・ボーカルのエフェクトも様々

・BGMをかけながら音声配信ができる

・入出力にBluetoothを介したデバイスを使える

・zoom(オンライン会議の方)に接続して複数チャネルを制御できる

・マルチトラック・レコーディングに対応している【重要!】

 

 

デジタルMTRの系譜とは別ラインで

「ストリーミングミキサー」というカテゴリーで

突如、登場したGigcaster5 / Gigcaster8。

 

おもしろそうな機能をたくさん搭載していて

長いこと待ち侘びていたMTRの役割もカバーしているので

これは買いの一択のような気がしてきました。

 

MTRとPCとの連携がうまく叶わなかったので

その夢の続きを追いかけられると思うと

ワクワクが止まりません。

 

注釈) 

Gigcaster 5と8の比較で、本体から直接録音保存するなら、

Gigcaster8を選択することになります。(※microSD対応は8のみです。) 

Gigcaster5で録音するとなるとPC接続しDAWと連動させて、

PCで録音するという方法しかありません。(8はどちらも可能です)

 

 

待った反動の分だけ、

文章の分量が増えてしまいました。

長文・乱筆、ご容赦ください。

 

待っている間は

もどかしいですが、

「待ち人来たる!」になった場合には

喜び・楽しみは倍増しますよね。

 

待ち焦がれているものはありますか?

 

 

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