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【音楽】アダプティック・ミュージックという手法

ポケットモンスターSVのトレーナー戦の曲を

実際にプレイしながら聴いてみると

プレイの進行によって

曲調が変化していくのが分かります。

 

このように、

プレイヤーによる入力や

場面変化に応じて音楽も適応するかのように

シームレスに変えていく技法を

アダプティブ・ミュージック」と呼びます。

 

「ダイナミック・ミュージック」や

「インターラクティブ・ミュージック」という語も

ほぼ同義で用いられており、

厳密な使い分けについて言及された文献は

見つけることが出来ませんでした。

 

トレーナー戦の曲では、

ボスのポケモンが1体目、2体目、3体目と

ストーリーが進むにつれて、

同じテーマを有する曲が

どんどん変化していくという演出になっています。

 

最初は音の数も少なく、

比較的静かな曲調なのですが、

少しずつ盛り上がっていき

最後のポケモンを出して本気を出したときに

曲がクライマックスに達するのです。

 

アダプティブ・ミュージックは

水平遷移(リシークエンス)と

垂直遷移(リオーケストレーション)とに

大きく分類されます。

 

水平遷移とは、

2つの曲(同じテンポ・キー・長さ)が

バックグラウンドで同時に流れていて、

片方から、もう片方の曲にシームレスで

移行していくというパターンが該当します。

 

この移行の際のエフェクトとしては

クロスフェードが好まれます。

曲Aが徐々に音量を下げてフェードアウトして

他方、曲Bが徐々に音量を上げてフェードインする

という手法がクロスフェードです。

 

ポケットモンスターSVトレーナー戦の曲では

同一曲に4種類のパターンを設けて、

相手のポケモンが変わるごとに

曲がクロスフェードで変化をしていくのです。

 

一方、垂直遷移は、

同一楽曲内の楽器の変化などを指します。

 

このようなアダプティブな音楽について

分かりやすく説明されている動画がコチラになります。

youtu.be

 

Nintendoのソフトの中で

このアダプティブ・ミュージックの手法が

個人的にカッコイイと思ったのが

ファイアーエムブレム覚醒」です。

 

戦闘と非戦闘とで

2種類の曲が用意されていて、

その切り替わりで音楽が途切れることなく

クロスフィードで曲がシフトしていきます。

戦闘が始まると雄大なバージョンの曲にシフトし、

戦闘が終わると穏やかなバージョンの曲に戻ります。

 

当時はアダプティブ・ミュージックという言葉も

知らなかったので

ただただ感心しただけですが、

いろいろなゲームにおいて

取り入れられている手法なのです。

 

古いゲームでいうと、

スーパーマリオブラザーズ

制限時間が少なくなったときに

曲のスピードが速くなるというのも

同じ括りの演出なのだと思います。

 

アダプティブ・ミュージックは

没頭感を維持するための仕掛けとも言えます。

 

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