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【解析】ドラクエ4のAI戦闘

AIというと

1990年発売のドラゴンクエスト4を思い出します。

今から30年以上前の話となります。

人工知能をテーマとして取り上げ

そのコンセプトをゲームに組み込んだことが

当時、話題になりました。

 

もちろん、昨今流行しているAIとは

機械学習」をしないという点で異なり、

当時のドラクエ4AI戦闘は

模擬的なものに過ぎないのかもしれませんが、

経験を重ねるごとに

まるで仲間キャラクタが

学習して賢くなっているかのように

見えてくるような演出は

当時のプレイヤーたちの心を掴みました。

 

 

戦闘を重ねるごとに

AIの行動パターンが変化し、

賢くなったような行動をとるようになる仕様、

これがドラクエ4(FC版)の特徴です。

 

 

参考) 

wikiwiki.jp

 

この参考文献のソースにあたると、

次のような情報が得られます。

 

スクリーンショット 2023-12-13 10.33.43.png

https://x.com/hijk0909/status/1123557227913048064?s=20

 

 

「最善の選択とは

 敵集団の恐怖度を削り取る

 効率の最も高い行動」である、

というのがドラクエ4のAI設計者の意図したことだと

 

続編のドラクエ5のAI設計者である𡈽方 雅之さんは

2019年にX(当時のtwitter)でコメントをしています。

 

 

この「恐怖度」という概念が

非常に天才的であると感じました。

 

私たちがゲームで遊ぶとき、

何の指標を参考にして

どのように判断・行動しているかを

仮想の数値で推論し、定義することで

ドラクエ4のAI戦闘を実現しています。

 

この「恐怖度」というパラメータが

とても気になります。

 

不可視のパラメータだからこそ、

今になって余計に惹きつけられます。

 

ドラクエ4

戦闘を重ねるごとに、フラグが付いて

敵の情報の公開範囲=AIが認知できる情報量が増え

この「恐怖度」の処理方法を変化させる

という手法を取っています。

 

・最初は知らない

・変な行動を取っていたのに上手に振る舞うようになる

・最終的には、効率的な行動パターンを選択できる

このような成長の過程を模擬的とはいえ、

「人間らしさ」として演出できたのは

このドラクエ4が世に打ち出した重要な成果だったのです。

 

 

ドラクエ4の発売から30年以上が経ち、

コンピュータのゲーム内演算処理によって

優秀なオートマチック判断が可能となりました。

 

ただ、あまりにも優秀過ぎて

初見の相手に対しても

まるで既に戦ったことがあり

すべてを知り尽くしているかのように振る舞うので

学習する前の「未知」の段階をスキップする傾向が

好まれるようになったようです。

 

当時の開発者たちがAI戦闘に込めた

「人間らしさへの追求」という強い思いは

今もなお、作品に刻まれて語り継がれています。

 

ゲームを通じて「AIが成長する」ということを

擬似的に体験できる最初の作品が

ドラクエ4だったのです。