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【漫画】宇宙兄弟の魅力

宇宙兄弟の何が面白いのか?

何に対して感動するのか?

 

漫画「宇宙兄弟」の面白さを

構造的に分析してみると

概ね次の通りになります。

 

・背景と状況が与えられる

 ~アクシデントを含むイベントの発生~

 ↓

・登場人物がリアクションする

 ~キャラクターの発言・行動~

 ↓

・結果として他のキャラクタもリアクションする

 ~読者にどう伝わるか~

 

 

他の漫画作品にも同じことが言えますが、

大体がこの公式に当てはまるようになっています。

 

とりわけ、主人公の南波六太は

アクシデントの類に見舞われることが多く、

このサイクルがたくさん回ってくれるので

その分、読み応えがあるように思えます。

 

その「運」要素の部分が

物語をとても面白くさせているのでしょう。

 

「安全」の観点からすれば、

事故が起こったときに対応できる能力・技術が重要ですし、

さらに言えば、

その事故が起こることを未然に防ぐことのできる準備があれば

尚のこと安全に寄与できることになります。

 

たとえ、その予防策が十分だったとしても

キャラクター設定上、「何か起こしてしまう人」なので

いろいろと巻き込まれては

まるで何かに試されているかのように

ムッタは乗り越えようと努力をして、

その直向きな様がまた感動を呼ぶのだと思います。

 

リアクションの部分の演出も素晴らしいです。

特に「言葉」の選択が秀逸ですし、

心に残るフレーズがあり過ぎて

ここでは伝え切るのは難しそうです。

(敢えて一つ挙げるとしたら「宇宙の話をしよう」でしょうか)

 

 

何か、アクシデントが起こったときに、

まず感情が動いて、

それが表出されたり、あるいは意図的に表出されなかったり、

そのトラブルを解決しようと

頭を働かせ、アイディアを出したり、

チーム内で議論をしたり、

ときには瞬時の判断を求められたり、と

与えられた試練を乗り越えていく姿も

非常に丁寧に描かれているのも本作品の見所です。

 

また、アクシデント等のイベントに限らず、

自身や周囲の「人間」の性質が

足を引っ張ってくるというシーンも

複数回にわたり描かれています。

 

誰かの成功をよく思わなかったり、

誰かの幸せを妬んだり、

誰かのことをコントロールしようとしたり、

人間が人間自身の成長や成功を阻害する場面も

日常の社会のようにリアルに描かれています。

 

ありもしないデマ・流言に煽られて

それを間に受けて印象を操作され、

安全な場所から石を投げるモブに

誰でもなるということを知らしめてくれます。

 

そのような点では

単行本27巻は必読です。

 

課題に対して成果を出せない中、

ありもしない誹謗中傷を浴びせられ、

それに振り回された当事者たちも

自らの首を絞めて可能性を狭めてしまい、

そのような環境下で

もしも健気に結果を出せたなら

どのようなストーリーになるかを

よく示してくれる名著だと思います。

 

背景:誹謗中傷、行動制限、仲間も半ば人質に

状況:課題に対して成果が出せず、中止を勧告される

リアクション:通常のタスクを早く仕上げて時間に余力を作り、

 中止になったタスクをする以外に何も出来なくさせた

結果:成果が出せない可能性が高かったが、結果を残した。

 

この結果に対して、

周囲の登場人物がどのように感情が動かされるのか、

どのような言葉を発し、何をするのか。

そして、

それを読んだ読者が何を感じるのか。

 

という「宇宙兄弟」のコードというか型のようなものを

堪能できるのが単行本27巻なのだと思います。

 

是非とも、1-27巻をオススメしたいです。

(27巻だけではなく、一連を読むのがポイントです)

koyamachuya.com

 

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