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【アート】手塚治虫ブラックジャック展

2023/10/6-11/6の期間に

六本木ヒルズ森タワー52階、東京シティビュー

手塚治虫ブラックジャック展が開催されています。

blackjackex.roppongihills.com

 

先日、行ってまいりました。

 

土日の訪問だったこともあり、

多くの人が鑑賞に訪れていました。

 

特記すべき展示物は、

何といっても、ブラックジャックの原画です!

 

漫画の原稿用紙に

丁寧なペン入れで、修正箇所もリアルで、

50年前の手塚治虫先生の気迫が

原稿を通じて伝わってきました。

 

第一話のブラックジャック初登場のシーンと

その話の最終コマのブラックジャック

目の部分が修正されているので

試行錯誤しながらも

魂を込めるべくこだわりを見せた部分だと思います。

 

神は詳細に宿ると言いますが、

その言葉がピッタリ来るくらい、

素人の私が見ても

熱量がひしひしと伝わってくるほどの作品でした。

 

現在、漫画自体の技術向上や

漫画家の活躍も目立ってきているので、

作業の質・効率も当時と比べてはるかに向上しているので

同じ模倣作品を作るにしても

圧倒的に時間を短縮できるとは思いますが、

当時の技術、そして他の執筆作業と並行して

週刊というサイクルで

あのクオリティを出し続けられるのは

本当に凄いとしか言いようがありません。

 

手塚治虫先生作品の好きな点・凄い点の一つに

作画の抽象化が絶妙であることが挙げられます。

リアルな描写ももちろん出来るとは思うのですが、

とにかくデフォルメして、

情報量を絞り込んで

一目見ただけで「これ」とわかるような

抽象度で絵を描ける点が本当に素晴らしいです。

 

誰にでも真似できそうなデザインなので、

読者も描いてみたくなる気持ちになったり、

あるいは、

線の数が少ないので時間効率を最大化できたり、

という副次的な恩恵が得られます。

 

・一話完結型できっちりまとめられる

・「命」をテーマとした一貫性

・脚本/シナリオ/演出/構成など

 全て一人の作者がトータルコーディネート

・現代にも通ずる医療倫理や哲学

・普遍的なテーマ/課題を作品に溶け込ませる

などなど、

挙げ出したらキリがないくらい

手塚治虫先生の功績を体感できた

素晴らしい展示会だったと思います。

 

 

手術の描写や解剖の絵が

ネッター解剖学アトラスを思わせるような

ディテールで描かれていて、

週刊漫画誌のサイズの迫力で

カラー原稿を直に目にできたのが

いちばんの収穫でした。

www.nankodo.co.jp

 

まだ一週間ありますので、

お近くにお住まいの方は是非!

オススメです。