2023年1月に発売が予定されている
SONY α9iiiの先行体験を予約して
実機に触れてきました。
普段、使っているのがα9なので
両機種の違いに着眼しながら
何を感じたのかをレポートしようと思います。
α9(生産終了)
2017年5月26日 発売
一般仕様
型式:レンズ交換式デジタルカメラ
使用レンズ:ソニーEマウントレンズ
撮像部
撮像素子:35mmフルサイズ(35.6x23.8mm)
カメラ有効画素数:約2,430万画素
総画素数:約2,830万画素
実は、ここまで挙げたスペックに
α9 vs α9iiiとでは大差はありません。
α9iiiの仕様
2024年1月26日 発売予定
カメラ有効画素数:約2,460万画素(静止画時)
総画素数:約2,520万画素
α1やα7Rvのような高画素・高解像度機種と比べると
写真1枚あたりのデータサイズが2400万画素に抑えられており
実は6年前のα9初号機と同程度の解像度なのです。
クロップをするとなると、
α1やα7vの方が向いています。
それでは、
実際に触ってみて感じた違いは
何だったのかというと、
やはり最も印象に残ったのが「120コマ/秒」の高速連写です。
α9は20コマ/秒が最速なのですが、
その6倍のコマを捉え切れることに
心から感動しました。
SONY STORE札幌店には、
デモ撮影用のファン(扇風機)が用意されていました。
また、動物や鳥の動画を液晶画面で映し出すことで
模擬的ではありますが、野鳥に対する瞳AFの機能を
実感することができました。
特に小鳥の動きは非常にすばしっこく
すぐ飛んでしまうこともあり、
10〜20コマ/秒では
捉え切るのが難しかったです。
High+モードにすると120コマ/秒での撮影が可能になり
写すのが難しかった飛び立つ瞬間や
餌を飛び散らかしている様子を収められました。
そして、α9初号機との大きな違いとしては
AI AFの搭載が技術を一気に推進させた気がしました。
α7Rvで取り入れられたAI AFの技術が
α9iiiにも取り入れられて、
被写体を認識して、瞳にピントが合うまでの時間や
粘ってAFを保持し続ける性能が
格段に向上したと実感できました。
ピントが会うまでの時間と
被写体を認識するまでの時間とが
驚くほど短くなって
一瞬の隙を逃さない名機になったと確信しました。
私は主にバスケットボールを撮影するので
グローバルシャッターの恩恵を
さほどは受けないとは思うのですが、
このAF性能と連写速度は魅力以外の何でもないです。
他に気づいたこととしては
店内の動体を何となくSS 1/2000で撮ってみたのですが
思った以上に明るい画になって驚きました。
f2.8 70-200mmのズームレンズ・ISO AUTOで撮影したところ、
SS 1/2000と思えないほどの明るさになりました。
(そのときのISOの値をチェックするのを忘れたのが悔やまれます)
体育館で選手が躍動する姿を撮るときにSS 1/500以上あれば、
うまくブレずに静止した画像が得られやすいのですが、
SSを1/1000, 1/2000, 1/4000と
どこまで攻めれるかを試してみたいと思いました。
1/80000のシャッタースピードが実現可能ですが、
試写会で、その凄さを感じるには至りませんでした。
やはり高速の回転体や
バットとのインパクトの瞬間に変形するボール、
割れる瞬間のワイングラス、
あたりが面白そうですね。
撮影した画像を実機で確認するときは
連写によって撮影枚数が増えることもあり、
欲しい1コマにいかに速くアクセスできるか
という点も操作性の改善がありました。
バッファーの点においても、
記録媒体への読み書きのスピードが圧倒的に速く
ストレスフリーで連写できそうです。
先行体験会まとめ
・連写撮影速度 120コマ/秒(α9:20コマ/秒)
・AI-AF搭載 AF/AEが高性能
・トラッキングが優秀
・静止画 約2400画素はα9と変わらず
・データ読み書き速度の飛躍的な向上
・バッテリはα9と同じだが(NP-FZ100)
電力量増加のため連続撮影時間は若干短い
・フロント部にC5ボタンが追加
・グローバルシャッター実装
・手ぶれ補正も改善
・スロットはCFexpress TypeAカード対応
・フリッカーレス撮影
・ブラックアウトフリー連続撮影(α9ii以降)
α9iiiは「一瞬を切り取ること」に特化したカメラ」
という立ち位置になりそうです。
スポーツ撮影との相性が抜群そうで、
これまでのローリングシャッターでは
避け切れなかった高速胴体の歪みという課題を乗り越え
新たな価値を提供する、新時代の技術の結晶として期待しています。